ノスタルジックでやわらかい灯りをともす、竹ひごと和紙だけで作られた手作りの鯛車。かつて、新潟県巻地区ではこの鯛車をひいて歩く子供たちの姿がお盆の風物詩だったそう。鯛車を作る職人さんがいなくなり、一度は途絶えてしまったのですが、復活に挑んでいる野口氏に出逢い、その幻想的な美しさと心意気に感銘を受け、表参道で鯛車を引こう、という今回のイベントでは、セントスケープが香りをプロデュースさせていただくことになりました。セントスケープは、香りの制作および香らせるための手法の開発を担当。灯りとともに香りのトレイルを演出しました。鯛車の美しさを損ねないように、灯りの幻想的な余韻を香りの余韻と重ねて演出するために、と試行錯誤して辿り着いたのは、子供たちに引かれて移動する鯛車本体に小さな香りパーツを搭載するという方法。「夏祭りの屋台から漂う甘い懐かしい香り」をイメージしたリンゴ飴のような香りは、子供たちにも大好評で、ノスタルジックでどこかワクワクする灯りを放つ鯛車と共に、夕暮れ時の表参道を練り歩きました。鯛車は後にティファニー財団賞を受賞し、BEAMSで販売されるなど様々なメディアにて紹介いただきました。